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天保6年〜明治33年(1835〜1900年)
豊原周信、三代歌川豊国に師事。明治2年以降、役者大首絵を制作して浮世絵師としての地位を確立した。小林清親や月岡芳年と共に、明治浮世絵界の三傑に数えられ清親や芳年が明治期の画人として近代的な写実表現や西洋画の描写を学習応用したのに較べ、あくまで伝統的な浮世絵の表現に固執した。そして、その形式化された画風によって、浮世絵の有する江戸情緒を最後まで伝え得た画人であった。大首絵の役者絵は、特に西洋で人気を博し「明治の写楽」とも評された。江戸の生活感覚を体現した国周の死を境に、浮世絵の中から江戸情緒が失われてゆくのである。
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