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1914年ウイーン生まれの幻想派作家。繊細でリアルな描写手法を 駆使し、なおかつ視覚上の約束事や通念などを逆用しながら様々な事象の組み合わせによって不思議なイメージの世界を作り出す傾向は、現代美術のひとつの代表的な潮流をつくりだしているが、彼の世界もその一つの典型と言えるだろう。現実的な視覚表現と非現実のイメージによって構成される作品は、ハウズナーの場合、時には自画像となり、また人間の存在意識を反映する奇妙な幻想となったりする。1931年ウイーンの美術学校で学ぶようになるが、正統的な作画には魅かれることもなく卒業を迎える。1946年ウイーンの芸術家協会に参加、ここで同じ様な表現志向をもつ後年の仲間達と知り合うことになる。エルスト・フックスやエーリッヒ・ブラウアー等である。1960年ローマに留学。1962年ドイツ、オランダ、ベルギー、フランス等を旅行、国際的な活動が注目されるようになる。アダム連作などに見られるように、水兵服、水兵帽子の自画像のイメージや神話伝説、美術の名作等の親しいイメージ等によって、不可思議な物語的な世界を構成しており一種の象徴性に満ちた世界を現出させている。
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